●劇団40CARAT 第23回公演
「堕ちて逝く羊の寓話」

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◆あらすじ◆




古ぼけた床屋の、古ぼけた椅子に座りつづけるパジャマ姿の男は眠っているのか? はたまた、目覚めているのか?
滑稽めいた孤独さの中から、呻きとも呟きともつかぬ彼の歌声が聞こえてくる。
「メリィさんの羊、メェ、、」
そんな男を訪れる医師たち。ここは病院だったのか?
不眠を訴える彼に耳を貸す看護師は、死に別れた妻、百合子に瓜二つであった。
男は妻に会いたくなった。
「何でも承ります屋」の勇太は、妻の居場所を知っていると言う。
誘われるままに鏡の中へ這入った男が見たのは、記憶の片隅に封印していた、いまわしい過去。
彼は百合子に会いたい一心で、忘れ去りたい過去に目を凝らすのだった。
男は妻に会えるのか? そしてもう一度、前へと歩き出すことができるのか?

人生をふと振り返れば、くだらぬ過ちの繰り返し。人の愚かさ、脆さ、そして孤独を、花山ららがちょっぴり滑稽に書き下ろした、摩訶不思議で、そして悲しき物語。



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